人材育成の手法と効果的な使い分け あなただけにこっそり教えます!

企業における人材育成の手法は、実に多岐にわたります。対面研修、リモート研修、Eラーニング、面談…。社員を育成しようと考えた際、どの手法を選択するか、どんな方法がいいかを考えていくには、それぞれの手法の特徴や使い分けを把握しておくことが必要不可欠です。では、人材育成にはどんな手法があるのでしょうか?どう使い分けると効果的になるのでしょうか?人材育成の手法と、効果的な使い分けについてご紹介いたします。あなただけにこっそり教えるスペシャルブログです^^

人材育成にはどんな手法や方法があるのか?

人材育成の手法は大きく分けると3つに分類されます。

① OJT
OJTはOn the Job Trainingの略で、仕事中、業務を通して行われる育成の手法のこと。

② Off-JT
Off-JTはOff the Job Trainingの略で、業務とは別に行われる育成手法のこと。

③ 自己啓発(SD)
Self Development。業務や仕事にかかわらず、自分で学ぶ手法のこと。

一般的には、OJTは業務を任せ、上司や先輩が指導・支援する育成手法で、Off-JTが研修などの育成手法、といわれています。また、自己啓発については、社員が自発的に学ぶ環境づくりを企業が整えるという意味では企業における人材育成の手法になりますが、自己啓発はあくまで個人に任せるもので、企業の人材育成には含まない、と切り分けている企業も多くあります。

今回は、企業における人材育成の主要な手法として、OJTとOff-JTの特徴と効果的な使い分けについてご紹介します。

人材育成の手法その① OJTの特徴と効果的な使い分けの方法

OJTとは、基本的に、任せている業務に関する指導を通して行う人材育成の手法です。

これまで多くの日本企業が、人材育成のメジャーな手法として取り組んでいました。

一般的に、業務を任せながら、そばで上司や先輩が指導してあげたり、支援してあげたりすることで徐々に仕事を覚えてもらい、成長させるというのをイメージしますが、最近では現場が多忙だったり、リモートワークが普及したりして、動画コンテンツなどのEラーニングを使って業務に関する指導をする企業も出てきています。いずれのケースも、現場の業務、すなわち実務を通して指導が行われるというのが特徴です。現場(上司や先輩)が中心になって社員(後輩や部下)を育成します。そのため、OJTの効果は指導する上司や先輩のスキル、現場の業務環境に左右されるという側面もあります。

現場が中心になって行う人材育成の手法、OJTが効果的なケースは下記の場合です。

① 指導、支援する上司や先輩(現場)に業務の余裕があるとき
② 指導する上司や先輩と、指導を受ける社員が競合関係にないとき
③ 一般論や幅広い知識ではなく、現場のやり方やノウハウを身に着けさせたいとき

① 指導、支援する上司や先輩(現場)に業務の余裕があるとき

近年、企業の人材育成の現場でよく耳にする話に、「企業間の競争が激化し、現場が非常に多忙。部下や後輩を指導する人材育成の活動に割く余力がない。」というのがあります。

二兎を追う者は一兎をも得ず、なんてことわざがありますが、本業が多忙の現場に人材育成も担わせると、どちらの質も低下しかねません。

重要なのは会社として、現場が余裕をもって業務に取り組めるように支援してあげることと、まだ現場が業務に余裕がある段階から人材育成計画を立て、社員を育てておくことです。

OJTを効果的な人材育成手法とするためにも、「現場が忙しい、人手が足りないといっているからとりあえず人を配属させよう。後はきちんと指導してね。」という悪手だけは、避けたいものです。

② 指導する上司や先輩と、指導を受ける社員が競合関係にないとき

笑い話のようなケースですが、組織が成果主義の時によくみられるケースです。

例えば、営業部門。

個人の売上にインセンティブがあり、同じ部門内で売上を競わせているような組織であるとき、誰もがインセンティブを狙って、1番を目指そうとすると、なかなか自分のノウハウを人に教えようとは思いません。

こういう関係性のまま、OJTを導入すると、指導を受ける社員はノウハウを教えてもらえず、育たないというケースに陥ります。

OJTという人材育成を効果的にするには、現場任せの育成ではなく、現場が育成を行いやすい環境づくりや支援体制を整えていくことも大切になるのです。

③ 一般論や幅広い知識ではなく、現場のやり方やノウハウを身に着けさせたいとき

餅は餅屋、といいますが、現場の上司や先輩が人材育成を行うなら、“現場の業務のこと”に関する指導が一番です。

例えば、名刺交換の仕方や、ロジカルシンキング、Excelやパワポの使い方等、企業間に大きな差異がなく、世の中で一般的といわれるような内容を、あえて現場の人間が指導する意味はありません。 現場が指導するなら、本やネットを調べても出てこない自社ならではのノウハウややり方、仕事の進め方という内容や、自社内の書類フォーマットの操作の仕方等、いわゆる「うちのやり方」といった、現場しか持っていない内容にした方が、はるかに効果的です。

人材育成の手法その② Off-JTの特徴と効果的な使い分けの方法

Off-JTとは、現場の業務や仕事から離れて、時間や場所、環境を用意して行う人材育成の手法です。

研修やEラーニングなど、いわゆる人材育成といわれてイメージする大半がOff-JTに分類されるかと思います。

Off-JTの特徴は、業務や実務によらず、幅広い内容を取り扱えることから、社員のスキルや能力を底上げしたり、ビジョンや方向性、考え方を統一したりすることにあります。

特に近年は、市場競争の激化から、どの企業もイノベーションを追求するようになり、社員に業務や実務をこなすだけでなく、色々なことを考えながら視座を高く持つことを求めるようになりました。そのため、Off-JTの重要度は以前より増してきているように感じます。

Off-JTが効果的なケースは、下記の場合です。

① 専門性の高い知識やスキル、一般論や幅広い知識・情報を身に着けさせたいとき
② 会社、あるいは組織全体として共通意識や同じ方向性を持たせたいとき
③ 部や所属を超えた学びや交流を持たせたいとき

① 専門性の高い知識やスキル、一般論や幅広い知識・情報を身に着けさせたいとき

通常、業務や実務を行っているだけでは身に着けることができない、専門性の高い知識やスキル、一般論や幅広い知識を身に着けさせたいときはOJTよりもOff-JTが効果的です。

例えば部下育成のスキルや、コンプライアンスの知識などは、知らなくても業務や実務は行えますが、知っていると仕事の質を押し上げることができたり、リスクを減らせたりします。

また、IT企業でよくあるのは、アプリ開発やサーバエンジニアなどが、ネットワークのことを勉強する、というケースです。

自分の業務の専門領域以外のことも幅広く知っておくことで、新たな時代やテクノロジーに対応できたり、イノベーションを生み出せたりします。

② 会社、あるいは組織全体として共通意識や同じ方向性を持たせたいとき

Off-JTは何も知識やスキルを身に着けさせるためだけの手法ではありません。

会社や組織として、同じビジョンや方向性を持たせるような、マインドセットを行うにも効果的な手法です。人材育成に取り組む場合、知識やスキルを身に着けることに目が行きがちですが、社員が育つには思考や行動特性、モチベーションといったマインドセットが重要だと言われています。

マインドセットを整え、人材が成長する土壌を整えるために、Off-JTという手法を選択するのも効果的です。

③ 部や所属を超えた学びや交流を持たせたいとき

業務や実務によらない育成手法であるOff-JTは、部や所属を超えた学びや交流を実現することもできます。

とある部署で起こった出来事を他部署にも情報として紹介することで、部署単一のノウハウだった情報が全社のノウハウに昇華されていきます。

こうしたノウハウや情報の活発なやり取りは、実務や自部門では学びえない内容が少なくないので、イノベーションの土壌にもなるのです。

まとめ

いかがでしょうか?

企業が人材育成を効果的に行うには、目的にあった手法を選択していくことが重要となります。数ある人材育成の手法ですが、まずはOJTとOff-JTに分けて考え、それぞれの特徴をおさえた上で使い分けの方法を考えていけば大丈夫です。

これからの時代はますます社会の動きが早く、激動の時代になります。

数ある人材育成の手法を効果的に使い分け、時代に対応できる優秀な人材の育成を意識してみてください。

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