タレントマネジメントを活用して情報の整理・集約を進めよう

「自分たちの会社を今後も成長させるためには何が必要なのか」という質問をされたときに、みなさんぱっとなにか思いつきますか?このように質問をされると、正直わからないなと思う方も少なくないのではないでしょうか。
では、従業員が一丸となって同じ目標を目指し、成長を続けていくために、会社はどのようなことをすればよいのでしょうか。

今回は「タレントマネジメント」を活用し、企業の情報の整理・集約を行う方法についてご紹介します。

タレントマネジメントを通じて情報の整理・集約が必要になった背景

先日とあるベンチャー企業の社長さんと会う機会があり、少し相談を受けました。
「うちの会社もこの間1周年を迎え、少人数ながらに頑張っています。今後もっと大きな会社にしていきたいとも思っているのですが、すぐには従業員をたくさん雇えません。そこで、まずは不足しているところを最低限補うために、タレントマネジメントを導入してもいいなという話が出ました。中長期的に考えても悪いことではないのですが、今余裕がないので後回しでもいいかなと思っていて……。」

今までにもタレントマネジメントを導入したほうが良いのだろうというけど、他に優先すべき仕事が多く、まだいいかなと後回しにしてしまって導入が進んでいないというお話を数多く聞いてきました。
また別の意見として本当に自分の会社にとってタレントマネジメントが最適なマネジメント手法なのかわかっておらず、導入に踏み切れないというお声も上がっていました。

元々1990年代に人材の流動性が激しいアメリカで、優秀な人材を定着させるために提唱されていたタレントマネジメントは、なぜ近年日本で導入が進み、従業員情報の整理・集約が広まってきているのでしょうか。

  1. 人材の流動性

従来の日本の企業では終身雇用や年功序列など、長く企業に在籍する雇用制度を取り入れていましたが、人材の流動性が上がったことにより今までできていた一括大量採用が行いづらくなりました。そのため、効果的な人員配置が必要になってきたことです。

  1. 慢性的な人材不足

少子高齢化が進み、慢性的な人材不足が続き、優秀な人材の獲得競争が激しくなっています。企業は人材の採用と同時に社内の従業員の情報を把握すると同時に、高いパフォーマンスを発揮する人材に育てられるかどうかが重要なカギになります。

  1. 事業のグローバル化

事業のグローバル化に伴い、競争相手も日本国内だけではなく世界へと競争の場を広げ、競争の激化が加速しました。それに伴いグローバルに活躍できる人材の確保とスピード感が求められるようになりました。また、適切な人材採用の基準として、タレントマネジメントの導入が増えてきました。

  1. 技術革新

技術革新によって、タレントマネジメントが導入・実施しやすくなったことも1つの理由として挙げられます。

今までは人材評価など多くの企業で従業員の主観を頼りに行われていましたが、技術革新が進んだことにより、様々な情報が見える化や数値化できるようになり、導入への敷居も低くなりました。

こうした背景により、配属先の現場でじっくり時間をかけて育てていた今までの日本式の人事戦略から、適切な人材配置を行い、無駄なく、より早く戦力化できるような人材育成方法が求められるようになりました。このような変化から、タレントマネジメントに注目が集まってきているのです。

タレントマネジメントを活用し情報の整理・集約を行うメリット

「タレントマネジメントを活用することにより様々な情報の整理・集約を行えることはわかっていても、それを活用してどのようなことが出来るのかいまいちわからないんです。だから、本当に自分の会社にとってタレントマネジメントが最適なマネジメント手法なのかわかっておらず、導入に踏み切れない」と別の人事担当の方からも相談も受けました。
ここでタレントマネジメントを導入するとどのような効果が期待できるのかご紹介します。

  1. 人材情報の見える化

タレントマネジメントを活用することにより、現在所属している従業員の基本情報をはじめ今までの業務経験や配属履歴、スキル、資格といった情報の整理・集約を行って一元管理することが出来ます。現在自社にはどのような人材がいるのか、部署などの組織ごとのパフォーマンス情報も見える化することにより、業務の特性や従業員の適性度合なども検証することで、今後の人材配置にも活用出来ます。

  1. 人材配置によるパフォーマンスの最大化

タレントマネジメントでは、戦略的な人材配置を行うことが出来ます。見える化された従業員の情報の整理・集約を行うことにより、従業員が取り組んでいる業務の適性を判断することが出来ます。その情報をもとに、人材配置を行うことにより、従業員にあった人材配置を行うことが出来、パフォーマンスの最大化を狙うことが出来ます。

また人材配置を行いながら、「この業務にはこのスキルを持っている人があっている」など規則性を見つけることにより、さらに最適な人材配置を行うことが出来るようになります。

  1. 人材育成の効率化

企業の継続的な成長のために重要になるのが従業員の育成です。タレントマネジメントを活用し、人材の現状を把握するとともに、今後どうなりたいのかキャリアプランに関する情報の整理・集約して見える化することにより、従業員一人ひとりに合わせた人材育成計画を作成することが出来ます。
また企業の今後を担う次世代を担うリーダーを探し、中長期的な育成計画を行いやすくなります。

  1. 優秀な人材の定着と今後のための採用

タレントマネジメントを活用し、従業員の情報の整理・集約して見える化することで、従業員を適材適所に配置することによって、それぞれ持っている能力を最大限に活かすことが出来ます。業務で発揮した成果を正しく評価することにより、従業員のモチベーションが向上し、結果的に優秀な従業員の離職を防ぐことにもつながります。

また、従業員の情報の整理・集約して見える化した情報を基に分析を行うことで、目標を達成するために不足している人材の把握を行うこともでき、採用にも活用することが出来ます。

今までのマネジメントでは労務管理をはじめとした「人材管理」の側面が強いものでした。しかし、従来の人材管理に対し、タレントマネジメントとは、従業員の基本情報をはじめ個々の能力やスキルといった情報の整理・集約を行って一元管理することで、戦略的な人材配置や人材育成、採用に活用することができるようになるのです。

タレントマネジメントでできる情報の整理・集約の項目

タレントマネジメントを導入すると様々な情報の整理・集約を行うことが出来ますが、具体的にどのようなものを見える化することが出来るのでしょうか。

①基本情報
氏名などのパーソナル情報、社員番号や職種など人材情報の土台となる基本的な項目です。この情報がすべての情報の基盤にもなるため、常に最新の情報に更新しておきましょう。

②人事評価
評価履歴や成果など、従業員が今までどのような経験をし、実績を残したのかがわかる項目になります。また履歴を残しておくことにより比較情報として利用することが出来ます。

③業務関連
獲得している資格や今までの業務で獲得したスキルなどが分かつ項目になります。業務の経験年数や実績を基本情報と紐づけながら把握しておくことにより、今後の適切な人材配置に活用することが出来ます。

今まで伝えていなかった資格や転職前の業務経験など、把握できていない情報などが出てきやすい項目でもあるので、改めて情報の整理・集約を行うことにしましょう。

④業種別関連
今までのクレーム情報や、発生したミス、とある業種で特別に発生する業務など業種によっておこる不具合や特別な対応が必要になる場合があります。その情報の整理・集約を行っておくことによって、分析を行ったり今後の課題解決につなげることが出来ます。

従業員に関する情報の整理・集約を行い、常に最新の情報を把握しておくことにより、企業側でも最適な人材配置を行うことが出来るようになります。

まとめ

いかがでしたか?

元々1990年代に人材の流動性が激しいアメリカで、優秀な人材を定着させるために提唱されていたタレントマネジメント。

最近注目されている背景として下記の4点があげられます。

  1. 人材の流動性
  2. 慢性的な人材不足
  3. 事業のグローバル化
  4. 技術革新

またタレントマネジメントを活用し、従業員に関する情報の整理・集約を整理することによって下記のようなメリットがあげられます。

  1. 人材情報の見える化
  2. 人材配置によるパフォーマンスの最大化
  3. 人材育成の効率化
  4. 優秀な人材の定着と今後のための採用

では、タレントマネジメントを活用したばあい、従業員に関してどのような情報の整理・集約を行うことが出来るのでしょうか。

①基本情報
②人事評価
③業務関連
④業種別関連

このように従業員に関する情報の整理・集約を常に行って、最新の情報を管理しておくことにより、従業員のパフォーマンスを最大限に発揮できる環境を提供でき、企業の成長につなげることが出来ます。
企業の最終目標を達成するためにも、タレントマネジメントを導入し活用してみてはいかがでしょうか。

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