企業の成長と発展に重要な経営資源として挙げられる人的資源。
従業員を育成することによって、業務の効率などが上がり、様々な良い影響が出来るというイメージはあると思いますが、闇雲にただ学んでいるだけでは成果には繋がりません。では、企業それぞれに合わせた人材育成を行い、業績や売上に結果を結びつけるためには、何から始めたらよいのでしょうか。
今回は、従業員のスキル管理を行うために、タレントマネジメントの活用方法をご紹介したいと思います。
目次
タレントマネジメントを活用して行う前に把握しておきたい、スキル管理とは?
まず初めに「スキル管理」とは何なのでしょうか。
スキル管理とは、従業員ひとりひとりのスキルを見える化し、一元管理することです。まとめた情報を社内のだれでも把握できるようにしておくことにより、人事評価や人材育成にも活用することが出来ます。
先日とある人事の方とお話しした時にもスキル管理に関する話題が上がりました。
「私たちの会社も今企業拡大に向けて中途採用に力を入れているんですけど、先日現場の営業部長に話を聞いたときに似たような経験を持っている人が来たから今度は別の経験がある人が欲しいって言われたんです。でも、実は不足している人材を補ったと思ってたので、思っていたのと違ったんですよね。このようなことを防ぐためにも従業員のスキル管理のために何か対策をした方がいいと思うんですけど、どうしたらよいのでしょうか。」
こんな時にスキル管理を行っていれば、現在の従業員のスキルなどが一目瞭然となるため、補わなくてはいけない人材が見えてきます。
「でもスキルって具体的にどのようなものを指すのでしょうか。基準がいまいちわかっていなくて……。」
スキルとは訓練や経験により身についた技術や技量のことであり、ビジネスシーンで求められるスキルは大きく分けて3つに分けられます。
- ヒューマンスキル
仕事を行う際に、他者と円滑なコミュニケーションを取り、良好な人間関係を築くためのスキルです。コミュニケーション力やリーダーシップ、コーチングなどが該当します。職場や業界などは関係なく、また業務外でも使える普遍的に使用できることが特徴です。
- テクニカルスキル
日々の業務の中で役立つ専門的な知識や技術など課題解決するためのスキルです。語学力や情報収集力、分析力などが該当します。企業や業界によって求められる内容や程度が異なることが特徴です。
- コンセプチュアルスキル
問題が起きた際に、原因を正しく把握し、課題解決を行うなど物事の本質を見抜くスキルです。論理的思考力や受容性、目標管理などが該当します。ビジネスの場において、普遍的に活用でき、キャリアアップには必須になることが特徴です。
では従業員がこのようなスキルを持っているかどうか、どうやって把握すればよいのでしょうか。
ここでおすすめできるのが「タレントマネジメント」です。
企業が掲げた経営目標を達成するためにタレントマネジメントを活用することによって、従業員の様々な情報の見える化ができるのです。
では、見える化された見える化された見える化された情報はそのように活用できるのでしょうか。今までの経験や持っているスキルなど様々情報を見える化することにより、現在どのような人材がそろっているのかを把握することが出来ます。
また、従業員だけではなく業務の見える化を行うことにより、それぞれの業務にどのようなスキルを持った人材が必要なのか、現在不足しているのはどのような人材なのかも把握することが出来ます。
このような情報を把握することにより、人材を適切に配置したり、不足している人材を採用で補ったりすることができるのです。
タレントマネジメントを活用してスキル管理を行う目的
しかし、タレントマネジメントを導入する際に、タレントマネジメントを導入することが目的となってしまい、本来の目的を果たすことが出来ず、衰退してしまうというという企業も少なくありません。
そこで、改めてタレントマネジメントを活用してスキル管理を行う目的は何なのかを把握しましょう。
従業員の経験やスキルの把握
タレントマネジメントを活用してスキル管理を行うことにより、従業員が今まで行ってきた業務経験やスキルを見える化することができ、最新の情報を把握することが出来ます。
会社全体で把握していなくても、一緒に業務を行っているメンバーだけが把握していれば問題ないのではないか?と思われる方もいるかもしれません。しかし、プロジェクトごとに状況把握を行っている場合、企業側も現状を正しく把握することが出来ず、無駄な採用を行ったり、優秀な人材を上手く活用できないまま、離職されてしまう場合も考えられます。そのような状況を防ぐためにも、まずは従業員の経験やスキルの把握をする必要があります。
適材適所の人材配置
タレントマネジメントを活用してスキル管理を行って得た従業員情報をもとに、適材適所の最適な人材配置を行うことが出来ます。
新しくプロジェクトの人材配置を行う際に、判断材料が少ないと、個人の主観で人材配置を行ってしまい、従業員側も力を十分に発揮できないままプロジェクトの成績が思うように伸びなかったという最悪な状況に陥ってしまう可能性もあります。そのような状況を防ぐためにも、データから客観的な視点で適切な人材配置を行う必要があります。
不足しているスキルの把握
タレントマネジメントを活用してスキル管理を行うことにより、企業目標を達成するためには現状どのようなスキルが不足しているのかを把握することが出来ます。
例えば一言で「マネージャー」といっても、プロジェクトを任せる際にこのようなスキルがある人材が適任であると事前に必要な人材の情報があれば、そのような人材を配置したり、不足している場合は人材の採用や育成を計画的に行うことが出来ます。スキル管理で得た情報を基に、不足しているスキルを把握し、今後のアクションにつなげる必要があります。
では見える化された情報はそのように活用できるのでしょうか。今までの経験や持っているスキルなど様々情報を見える化することにより、現在どのような人材がそろっているのかを把握することが出来ます。
また、従業員だけではなく業務の見える化を行うことにより、それぞれの業務にどのようなスキルを持った人材が必要なのか、現在不足しているのはどのような人材なのかも把握することが出来ます。
このような情報を把握することにより、人材を適切に配置したり、不足している人材を採用で補ったりすることができるのです。
タレントマネジメントを活用して様々な情報を見える化することによって、業務の生産性向上につながることをお伝えしてきましたが、従業員それぞれの個人の能力・仕事を把握することもできるようになります。
「タレントマネジメントを活用して生産性を向上することにより企業がよくなることはわかりましたが、いざタレントマネジメントを導入しても集めた情報を正しく活用できない可能性もありますよね……。タレントマネジメントを活用して得た従業員の能力や仕事に関する情報はどのように活用すればよいのでしょうか。」
タレントマネジメントの導入を行っても、その情報を活用できずに機能しなかった失敗談も耳にします。
そうならないためにも従業員の情報を把握することにより企業側にはどのようなメリットがあるのかも把握しておきましょう。
- 適材適所の人材配置を行うことが出来る
従業員の今までの業務経験や獲得した資格などのスキルや特性を把握することにより、適材適所の最適な人材配置を行うことが出来ます。最適な人材配置を行うことにより、業務の効率化も上がり、生産性向上にもつながります。
- 従業員に合わせた人材育成を行うことが出来る
従業員が持っているスキルや能力を見える化することによって、弱点領域や得意領域を把握することが出来ます。またこの情報にあわせ、従業員一人ひとりのキャリアアップにつながるような研修を会社側から提供することにより、従業員に合わせた中長期的な人材育成を行うことにより、生産性の向上にもつながります。
- 従業員のエンゲージメントの向上につなげることが出来る
最適な人材配置を行うことにより、従業員は自分の能力を最大限に発揮できるようになり、仕事のやりがいや将来性を感じられることにより、エンゲージメントの向上につなげることが出来ます。その結果、人材の定着率が高まり、人材不足が解消され、生産性の向上にもつながります。
このようにタレントマネジメントを活用し従業員ひとりひとりの情報を見える化し、正しく活用することにより、従業員のパフォーマンスを最大限に引き出すことが出来、従業員も前向きに取り組むことが出来るようになります。
タレントマネジメントを活用しスキル管理を実施してみよう
タレントマネジメントを活用しながらスキル管理を行うことによって、様々な情報が見える化され、業務においてより良い状況を作り出せることはわかっていただけたと思います。しかし、ここであがってくるのが「スキル管理を実施するためには具体的にどうしたらよいの?」という声です。
ここからは実施方法をご紹介します。
- 目的や目標を設定する
スキル管理を行う際に、なぜ行うのか、どのような目標を達成するために行うのか、今一度把握しましょう。情報をすり合わせることによって無駄な作業を減らすことが出来たり、足並みをそろえることが出来ます。
- スキル項目を細分化する
担当業務やプロジェクトごとに求められるスキルを洗い出し、見える化しましょう。項目を細分化することにより、より必要な情報を把握することが出来ます。
- スキルのレベルを策定する
業務内でスキルを活用する際に、どの程度必要になってくるのか、必要に応じて習熟度のレベルを設定しましょう。設定を誤ると業務で必要なスキルに満たなかった等も考えられるため、正しく情報を把握しましょう。
- スキルマップを作成する
策定したスキル内容と必要なスキルレベルを用いて、スキルマップを作成します。
スキルマップでは、複数の従業員が保有するスキルを一元管理し把握することが出来ます。
- ツールを用いた効率的なスキル管理
外部ツールなどスキル管理に特化した専用のツールを使用することにより、より効率的にスキル管理を行うことが出来ます。
この際にも、必要情報の洗い出しにタレントマネジメントは活用が出来ます。
企業の目標や業務においてどの程度のスキルが必要かなど、様々な情報をタレントマネジメントを活用して見える化することにより、時間の無駄を省き、より効率的にスキル管理を行うことが出来るのです。
まとめ
いかがでしたか?
少子高齢化が進み、人材の確保が難しくなる中、どのようなスキルを持った人材が必要なのかをより正確な情報を把握するために、今回はタレントマネジメントを活用したスキル管理をご紹介いたしました。
ただ目的を正確に理解していないまま導入のみを行った場合は、正しく機能せずにそのまま衰退してしまうケースも少なくありません。
そのような状況に陥らないためにも、企業目標を改めて把握し、それを達成するためにはどのようなスキルが必要なのかをタレントマネジメントを活用して見える化し、従業員それぞれに合わせた人材育成を行いましょう。
ファインドゲートでは社内の人材育成強化を検討する際に、考慮すべきポイントをまとめた入門資料「人材育成の目的の大切さに気づくためのガイドブック」~人材育成担当の気づきのヒントがここにある~ をご用意しました。本資料は、人材育成を強化したい方には必見の資料です。ぜひダウンロードいただき、ご覧ください。