タレントマネジメントを活用した目標管理

今後も成長を続ける会社に育てるためには、従業員情報をはじめ会社の現状を把握すると同時に今後の目標を明確にし、会社全体で取り組めるような環境づくりをすることが大切です。
しかし会社全体の目標が明確になっていても、個人では何を目標にしたらいいのかあいまいになってしまい足並みがそろわないといったケースも少なくありません。

そこで今回は注目されている「タレントマネジメント」を活用した目標管理についてご紹介します。

タレントマネジメントにおける目標管理の重要性

「最近タレントマネジメントについて調べている際に、目標管理という言葉をよく目にするんですけど、具体的にどのようなことなのかあまりピンとこないんですよね。」
先日タレントマネジメントの導入を検討している会社の人事担当の方と話している際に、【目標管理】が話題にあがりました。

皆さんが目標管理と言われた時、MBOやOKR、KPI等のフレームワークが連想されたかと思います。これらも組織のマネジメントの手法の一つで、人材マネジメントの基本項目である人事考課(評価)とも直接結びつくため、人事施策を戦略的に行うタレントマネジメントとも結びつきが強いのが特徴です。

目標管理は、現在多くのタレントマネジメントシステムにて基本機能として搭載されており、それぞれの目標を管理するうえで必要な情報の見える化を助けてくれています。そして、タレントマネジメントでは、システムによって見える化された【目標管理】という情報を活用しながら、自社の人事施策を戦略的に行うことが出来るのです。

タレントマネジメントにおいて、目標管理は人事施策を戦略的に行うために必要な情報であり重要な情報の一つなのです。

タレントマネジメントの要素としての目標管理

タレントマネジメントではあらゆる従業員情報を可視化することが出来ます。そのため当然、従業員がそれぞれどのような目標を持ち、現在どれくらいの達成しているのかなどの進捗状況を把握することが出来ます。また過去に掲げていた目標に対して、結果はどうだったのか達成状況も可視化し、情報として把握することもできます。これが目標管理です。

目標管理の情報が可視化されていると、人事評価に目標の情報を反映したり、人事異動や人材育成の施策に着手する際の情報として活用することができます。

例えば、Aさんが「私は1億円を売上目標としています!」と意気込みを語ってくれているとします。その場合、会社側ではAさんが1億円の売上目標の達成に向けどういうプロセスを経て、どのような結果に至るのかに注目しながら状況を把握します。大まかな流れとなりますが、これが目標管理です。

Aさんは売上1億円を達成するために、新規開拓のために月100件の営業電話を行い、月10社へ新規訪問を行うという目標を自分でたて、チャレンジを始めました。ところが、始めて見ると月100件の営業電話ができないことが度々あり、新規訪問も月1~2社にとどまってしまい、最終的に売上1億円に到達することはできませんでした。

もし、結果だけを管理するのであれば、今回Aさんは「目標未達」ということになり、ネガティブな評価を反映して終わりになってしまいます。

しかし、タレントマネジメントの目標管理では、プロセスも注視します。

すると、どうやら既存業務、その中でも特に見積書作成や請求書の用意といった事務仕事に時間を取られ、電話をかける時間を確保できていなかったという実情が見えてきました。さらに、電話をした際に自社のサービスについて上手く説明できておらず、なかなかお客様に魅力を伝えることができなかったため、次の段階である訪問につながらないケースがあることも確認できました。

こうした情報を踏まえると、Aさんが目標の達成率を上げるために実践できることとして、営業事務を配置したり、自社サービスの研修を実施したりするなど、様々な人事施策に結び付けることができます。

また、別の活用方法として、Bさんが業務改革における目標で劇的な結果を残し、そのプロセスも運ではなく素晴らしい手腕を発揮していた場合は、業務改革を課題として抱えている部門に異動してもらい、活躍してもらう、という人事施策に結び付けることができるのです。

このように、従業員が能力やパフォーマンスを発揮し、活躍できるように、人事施策の面からサポートしていくためにも、目標管理の情報を見える化することは重要なポイントとなります。

タレントマネジメントにおける目標管理の本質

ここまで、タレントマネジメントの中にある目標管理についてお話を進めてきましたが、最後にタレントマネジメントにおける目標管理の本質をお伝えしたいと思います。

タレントマネジメントとは、人事戦略の手法の一つです。
すなわち、タレントマネジメントは、会社の経営目標を達成するために人事施策を戦略的に行うためのものです。つまり、目標管理をタレントマネジメントの中で正しく機能させるためには、各目標が経営目標を達成することにつながっている必要性があります。ただ単に、従業員の目標を管理するだけがタレントマネジメントではないのです。

例えば、企業の経営目標として「3年後の売上80億を達成する」と掲げているとしましょう。この売上80億を達成できるようにするために、人事施策を戦略的に考えていくのがタレントマネジメントです。

ではさらに具体的に見てみましょう。
3年後に企業として80億を達成できるように、営業部門は売り上げ目標70億、生産部門はコスト目標10億、というように、各部門にも目標金額を割り振ります。

営業部門として70億の売り上げ目標を達成するためには、さらに各個人にも落とし込み、Aさんは1億、Bさんは5000万、Cさんは3億…というように割り振っていきます。
Aさんが1億の売り上げ目標を達成できるようにするためにできることを考えると下記のような目標が見えてきます。

・新規開拓をするために10社契約を増やす
・既存顧客であるZ社の売上を3000万拡大させるための施策を考える
・Aさんの弱点であるプレゼンテーションのスキルを向上させるために研修を受講してもらう
・請求や見積もり等の事務作業をサポートする営業事務を専属で配置する
・営業事務を配置するために、今年度中に営業事務ができる人材を採用する

ここでお気付きになったかと思いますが、考えられる人事施策はAさん自身が行うものと、企業などAさん以外の人が行うものが存在しているのです。

また今回あげた例からもわかる通り、タレントマネジメントの際は、各目標が経営目標に結びついている必要があるのです。そうすると、上記のように研修の手配、採用、配置など、企業・人事として行うべき人事施策が明確化できます。

各個人の目標がきちんと取り組めたかの結果だけを見るのではなく、結果に至るまでのプロセスにも目を向け企業として必要な動きを戦略的に行う。
これこそが、タレントマネジメントの目標管理の本質なのです。

まとめ

いかがだったでしょうか。

タレントマネジメントは様々な活用方法がありますが、今回はその中でも【目標管理】に注目し、下記3つの項目にてご紹介をいたしました。

・タレントマネジメントにおける目標管理の重要性
・タレントマネジメントの要素としての目標管理
・タレントマネジメントにおける目標管理の本質

企業全体の目標と従業員個々の目標を紐づけることによって、目指すべき方向がそろい一丸となって進んでいくことが出来ます。現状の把握、そして今後の成長のためにも「タレントマネジメント」を活用した目標管理を検討してみてはいかがでしょうか。

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